中村 彝
画家を志して明治39年に上京、はじめ白馬会洋画研究所に学び、次いで太平洋画研究所にて中村不折、満谷国四郎に師事。42年第3回文展に初入選以来、
翌年第4回展｢海辺の村｣、44年第5回展｢女｣で連続3等賞、大正4年第9回展｢肖像｣が二等賞、翌年第10回展｢田中館博士の像｣で特選を受賞。11年第4回帝展
で審査員を勤めたが13年肺病のために37歳で夭折。ルノワール、ロダン、レンブラントらに傾倒し新宿・中村屋の主人・相馬愛蔵夫妻の庇護を受けて制作
を続け、近代肖像画の巨匠とも言われる。代表作｢エロシェンコ像」は国内のみならず世界的な名作として高く評価され重文指定となっている。エロシェ
ンコ氏はアジア各地を放浪していたロシア人の盲目の詩人で、先述の新宿・中村屋の世話になっていた。
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