彼末 宏
東京美術学校にて梅原隆三郎に学び、卒業後も同校(東京芸術大学と改名)の助手を務める傍らで自らの作品を制作、1954年には国画会展に出品して新人賞
を受賞、その後も同展にて出品して57年には国画会賞、60年に会友優賞を受けて会員に推挙、この間58年には初渡欧している。以降、国画会展への出品と
個展を中心とした作品発表で69年よりは東京美術大学助教授(80年教授)として後進の育成にも尽力を示した。製作当初より黒や茶系の暗い色彩を用いた人
物像や静物、風景などを製作していたが、渡欧後は抽象的な構図を取り入れた作風に変化を見せ色彩も赤、緑など比較的明るい物を使用した作品も見られ
るが、昭和40年ごろより初心に帰り黒といった色の可能性を追い求め透明感のある暗色作品に仕上げることに成功しており、晩年の作品では抽象よりも具
象作品が多くなっている。没後特に人気の高い作家でもある。
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