山本 鼎
はじめ、浜松の木版工房にて版画職人として自立する道を歩み始める。上京して東京美術学校にて学び、卒業後は、石井柏亭らと共に美術同人誌
「方寸」を発行して創作版画を掲載した。1912年よりフランスに留学して美術学校エコール・ド・ボザールにて版画の更なる研究を進め、帰国後の
17年には再興日本美術院同人として迎えられる。さらに、創作版画と平行して児童画、農民美術にも力をいれて翌18年には日本創作版画協会19年
には日本農民美術研究所の設立に中心的立場となって参加して多方面に活躍と功績を残す。24年には春陽会の創立メンバーとなり以降は同会の出
品や個展を中心に作品を制作。日本画、洋画と並ぶべき版画の独自性を主張するなど今日の創作版画の隆盛をもたらすことに貢献した。作品では
風景、人物、そのほかにも麒麟麦酒のラベルデザインなど幅広いモチーフと自由な作域で、本格的な洋画作品からコミカルな筆致の創作版画まで
製作した。
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