【浜田庄司】作 柿釉面取花瓶を買い取らせて頂きました

【浜田庄司】作 柿釉面取花瓶を買い取らせて頂きました

遺品買取のご依頼をいただきました。亡くなられた旦那様が40年間、蚤の市などで集めた骨董品コレクションが部屋いっぱいに広がっていました。生前は季節ごとに様々なコレクションを飾り、楽しまれていたそうです。しかし、ご逝去後、価値が分からずリサイクル店で何点か売ってしまったとのこと。そこで、正確な価値を知りたいとのお気持ちから、骨董美術品を専門に扱う弊社にお問い合わせいただきました。

遺品の買取は、故人の思い出や遺品に対する敬意を大切にしながら、適切な価格での買取を心がけております。弊社では、骨董品の遺品買取を専門的に行っておりますので、お客様が大切にされたコレクションの価値をしっかりと評価し、適切な買取価格をご提示させていただきました。

思い出の品を手放すことは大変な作業ですが、旦那様が長年にわたって丹精込めて集められたコレクションを大切に扱い、新たな価値を見出すお手伝いをさせていただくことができました。

遺品買取をご検討の際には、ぜひ弊社にお気軽にお問い合わせください。ご遺族の皆様が安心してお任せいただけるよう、誠心誠意対応させていただきます。大切な遺品を手放す際に、弊社がお手伝いできることがあれば幸いです。

買い取らせて頂いたお品の一部をご紹介いたします。

近代日本陶芸界を代表する巨匠、浜田庄司（1894-1978）による作品『柿釉面取花瓶』です。
洗練された四角形の器に、縁が面取りされており、力強い印象を与えます。柿釉による赤と黒のコントラストが美しい景色を描き出しています。

【作家情報】

濱田庄司（1894年-1978年）は、神奈川県川崎市出身の著名な陶芸家で、民藝運動の推進者としても知られています。彼は1913年に東京高等工業学校（現・東京工業大学）窯業科に入学し、河井寛次郎と親交を深めました。卒業後、河井と共に京都市立陶磁器試験場に入所しました。

1919年には、柳宗悦と出会い、翌年にはバーナード・リーチとともにイギリスに渡り、セント・アイヴスで陶芸生活を送りました。帰国後の1924年には、河井寛次郎の京都の家に滞在し、柳と河井を引き合わせました。同年、安定した生活のために製作の場を求め、栃木県の益子に移り、以降はここを活動拠点としました。

濱田庄司は、柳宗悦や河井寛次郎と共に民藝運動を推進し、民藝理論の実践者でもありました。彼は運動を物心両面から支え、1961年に柳宗悦が亡くなった後、日本民藝館館長に就任しました。

日本民藝館には、濱田庄司の作品が約450点所蔵されています。益子を拠点に制作された作品の多くは、地元の土と釉薬を用いたものです。流掛や赤絵、塩釉などの技法に加え、彼独自の文様「黍文」を施した作品は、どれも力強く健康的です。

1977年には、彼が自らの仕事の参考として集めた作品を展示するために、旧居に益子参考館（現・濱田庄司記念益子参考館）を開館しました。

彼の次男・濱田晋作、三男・濱田篤哉、孫（晋作の次男）・濱田友緒はいずれも陶芸家であり、四男・濱田能生は硝子工芸家として活躍しています。濱田庄司の業績は、その家族を通じて今も

続いていることがうかがえます。

濱田庄司の作品は、日本の伝統的な陶芸技法を継承しながらも、独自の表現を追求しています。彼が生涯を通じて築き上げた陶芸家としての評価は、日本のみならず世界中で高く、彼の作品は数多くの美術館やコレクターに愛されています。

濱田庄司は民藝運動において、柳宗悦や河井寛次郎と共に日本の美術・工芸品に新たな価値観をもたらす立役者でありました。彼らは、美術品や工芸品の価値は高額であることだけではなく、日常生活に根ざした実用性や美しさにこそあると主張しました。これにより、日本の美術・工芸品は新たな発展の道を歩むことができました。

濱田庄司の功績や影響力は、陶芸家だけでなく多くの人々にインスピレーションを与えており、今後もその名は陶芸界をはじめとする美術分野で語り継がれることでしょう。彼の作品に込められた思いや技術は、次世代の陶芸家たちにも受け継がれ、日本の陶芸文化をさらに豊かにしていくことでしょう。